さて、7月のAmatu定期公演は、会場をラウンジに移し、オペラを中心に取り上げました。

会場がラウンジということ、

それから、クラシックの世界では夏は音楽祭シーズンということもあり、

いつもとは多少違ったものをお届けしようと思ったのが、きっかけです。



現役のオペラ歌手の協力も無事得ることでき、

私自身とても楽しい時間を過ごすことができました。



お越しくださった皆様にも、心からお礼申し上げます。

平日の、夜という悪条件にもかかわらず、

たくさんのお客様に、聞いていただける。

この幸せを、これからも、演奏を通してお返しできれば、と思います。



7月定期演奏会の曲目、および一言。



 私のお父さん~ジャンニスキッキから~ 

プッチーニのオペラからの選曲です。

恋人とどうしても、結ばれたい娘は、この歌を歌って、父親に助けを求めます。

「このお願いを聞いてもらえないなら、私は身を投げてしまうわ。」

その言葉を聴いて、動かない父親がいるでしょうか。



 ウィーンの夜会のパラフレーズ~こうもりより~

 毎年、ウィーンの一年は、このオペラで終わります。

なかでも、12月31日の夜公演は、ガラパフォーマンスもあり、大変な賑わいです。

ちょっとけだるく、とびきりおしゃれに。

そんなウィーンっ子の大好きなオペレッタです。序曲から、数曲アレンジしました。

 

 ワルキューレの騎行~ヴァルキューレより~ 

ご存知ワーグナー。ブリュンヒルデの出撃の曲です。

私は、「騎行」をずっと「奇行」だと思っていました。

音楽を聴いて、「さもありなん」と思っていたある日、師匠に、大笑いされました。

そんな切ない思い出の曲です。



 歌に生き愛に生き~トスカ~

歌いだしは、「Vissi d'arte Vissi d'amore」

悩める歌姫トスカは、恋人への信頼と、愛情に悩み、神様へこう問いかけるのです。

「歌にいき、愛にいき、あなたに忠実に生きてきたのに、なぜ、これほどに苦しめるのですか?」

神様の答えは、どうだったのか。

それは、ぜひオペラをご覧ください。

プッチーニ作曲。



 サムソンとダリラの主題による幻想曲

サン=サンス作曲のフランスオペラです。

怪力サムソンと、その秘密を探るために彼に近づく妖艶な美女ダリラ。

この二人の主題をつかった幻想曲です。

この二人、ちっとも愛情はなかったのでしょうか?

私には、そうは思えませんが・・・。



 薔薇の騎士の最後の二重奏によりソナタ

ドイツオペラの名曲「バラの騎士」の最後のデュエットを使ったソナタです。

求婚の為の銀のバラを、女性に届ける使者を、「バラの騎士」といいます。

ところが、その使者と、女性が互いに恋に落ちたら・・・。

ドイツオペラの特徴とも言える長い長い最後の二重奏です。



 蝶々夫人の面影

日本を舞台にしたオペラです。

結婚式の音楽から、ドラマチックな最後まで、

オペラの情景が伝わるような音楽に構成されています。

余すところなく、オペラを盛り込む。

そうすると、こんな風になるのでしょう。

2時間半のオペラが、12分に。



 ホフマンの舟歌

3部構成のホフマン物語。

その中のヴェネツィアの幕、ラストの曲です。

愛した女性に、影を奪われたホフマンは、

この曲とともに、自分の下を去る女性を見かけます。

どこか、おっとりとして、それでいて、エキゾチック。

ゴンドラの乗りながら、さっていく女性。

「これは夢なのだ、さあ眠って忘れてしまえ」という合唱の歌声に、

ホフマンは、ますます現実との境目を忘れるのです。



 花の二重奏~ラクメより~

ドリーブのオペラ「ラクメ」は、インドを舞台にした物語です。

ヒロインのラクメは、この歌を侍女と歌いながら、

ジャスミンなどの薫り高い花々を、次々とつんできます。

いくつもの重なる音が、波紋のように広がっていく曲です。



 カスタ・ディーバ~ノルマより~

「清らかな女神よ」と訳されるこの曲は、ソプラノ歌手の難関といわれる難しい曲のひとつです。

この曲を歌うには、覚悟がいります。

舞台は、ローマ。

ドルイド教の巫女王と、ローマ仕官との恋物語です。

リストの「ノルマの回想」とは、また違う。

透明なノルマの世界を表現できれば、と思いました。

私のノルマのイメージは、「青い女神」です。



Aria

 

 ある晴れた日に 

蝶々婦人からのアリアです。

長崎で、2週間暮らしただけの夫を待つ、

蝶々さんは、この曲を歌いながら、そのときを夢見ています。

「ある晴れた日に、この海の先に軍艦が見えて・・・」

と歌いだされるこの曲は、この先を暗示するかのように、

少しドラマチックすぎるメロディが盛り込まれています。



 ドレッタの夢

これもプッチーニ。

「つばめ」というオペラの曲です。

大変に短いオペラで、単独で演奏されることはめったにありません。

「こんな恋ができなら・・もうそれでいいの。それが、ドレッタノ恋。それが、ドレッタノ夢。」

そんな風に彼女は、歌い上げます。

ピアノから始まり、オーケストラに音を引き継ぐちょっと珍しい曲です。

高音の美しさが、これでもか、と凝縮された大好きなアリアです。



 アベマリア

ヴェルディのオペラ「オテロ」からの曲です。

本来ならば、この前に「柳の歌」というものが入り、

そのまま、この曲に続きます。

悪い予感に襲われながら、

デズデモーナは、この曲を歌い、最後の眠りに落ちるのです。



 ロミオとジュリエットの二重奏

グノー「ロミオとジュリット」のバルコニーの場面での曲です。

予定していた曲ではありません(笑)

「私のジュリエット」とロミオが歌いだし、

「私のロミオ」と答える。

幸せいっぱいのロマンチックな曲です。



 そは彼の人か

ヴェルディのオペラ「椿姫」

主人公ヴィオレッタは、

「私が待っていたのは、あの人だったの?」と、自分の心のゆれをこう歌います。

歌いだしは「E storano....(不思議だわ・・・不思議だわ・・)」

恋の予感に戸惑い、喜び・・葛藤する。

本当に、女心は、複雑です。。。



歌と、ピアノで、重なった曲は、ピアノ側で、一言書かせていただきました


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