さて、復活です。

秋以来の更新です。
その間何をしていたかは、あえて聞かないでください。
別に、悪いことをしていたわけは、ありません。
かといって良いことをしていたわけでもないのですけれどね。

近々、演奏会の予定はあるのですが、まだお知らせするほどには、
何も決まっていないので、さて・・・何を書くかな・・と思案中。
ここは、私の愛器の紹介をしよう、と思い立ちました。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
SLでの演奏会の際、私はスタジオに3台のピアノを用意します。
正確には、用意していると言うか・・おいてあります。
協奏曲の練習をする際、そうそうオーケストラとはあわせません。
その場合、一台のピアノで、オーケストラパートを弾き、
もう一台で、ピアノのパートを弾く、と言うことになります。
3台の内の2台は、このために常に置いてあるピアノです。

残る一台は、そのときの演奏曲によって違います。
今現在は、ベーゼンドルファーという会社のものが置いてあります。
このピアノは、私がピアニストになると決めたときに、師匠2人と買いに行ったものです。
いくつも並んだ、ピアノの森の中から、このピアノを選んだわけは、
たった一つ。
このピアノだけが、頑なに私を無視したからです。

先日のスランプで、私は、このピアノを半ば力技でねじ伏せました。
「ムネーモシュネー」という異名を持つこのピアノは、しぶしぶと私を主と認めたばかりです。
それでも、毎日触れるたびに、その音が変わっていくのを感じます。

そのたびに、ピアノも人と同じだと納得するのです。

これから、何度もお聞かせする機会があると思います。
その際には、ぜひともこのピアノの異名を思い出していただければ、と思います。
「ムネーモシュネー」とは、記憶を司る女神の名です。

このピアノと奏でる曲は、
やさしい記憶を思い出させるものであってほしい。

日々そう思いながら、お稽古をしています。


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